溢れる

人はどのようにして生きているのか。

 

最近、頭をよぎるテーマの一つ。

 

人によってそれは生涯わからないものだったりすることの方が多いのだろう。

いわゆる、漠然と生きている。

というやつだ。

 

昨夜の事だ。

 

弟が

「お前は何をしたい?」

そう問いかけてきた。

 

僕は

「店を出したい」

そう答えた。

それに続けて僕は

「お前はどうしたい?」

返ってきた答えは

「俺は自由で在りたい。嫌なものから逃げるというのが正しい表現なのかもしれないけど」

更に続く。

「世の中にはいろんな仕事があるからイヤになったらやめて新しい仕事したらええし、したいことを俺はしたい」

 

その答えが漠然としているけれど、どこか芯を捉えたような言い方と彼の自信に満ちた顔が凄みを感じさせた。

 

「お前それカッコいいな」

 

僕は気がつけば口に出していた。

なんとなく、彼のその目指す生き様が人としての漠然さや世間への失望感を感じさせなかったからだろうか。

高卒で会社に勤め、ポンポン上に上がって、世界旅行と留学のために仕事を辞め、世界を観て、何を感じたのかはわからない。

しかし、様々な人に出会って感じたからこそ確立できた人格なのだろうと思った。