業
僕はどうやら嘯かれるのが嫌いなようだ。
そう思ったのはいつだったのだろうか。
思い返してもわからない。
いくつかの悪業によってその感情を持ったのかもしれない。
或いは、自我の自尊心の強さから来る
嘯かれる=騙せる
と思われてることに対しての苛立ちなのかもしれない。
まぁ理由はどうであれ。
「嘯く」
と言うことに対して激しい憎悪や嫌悪感を抱いてしまう。
例えそれがとても仲が良かった人でさえ、だ。
それだけで信用はガタ落ちだし、なんなら金輪際関わりを持ちたくもないと言う気持ちにさえさせる。
人は欲の生き物だ。
欲のために偽りたくなる時もある。
しかし、その偽りの行動に真の意味はあるのだろうか。
いずれ塗り固められた虚構の感情が陥落する時が来ることに気付かないのだろうか。
生命で偽るのは人類だけだ。
知恵があるから。
隠蔽をする事に意味などないのに。
隠蔽しなければならない行動の先に幸せなどないのに。
改めてそう思った。